こんにちは、ヒデローです。
僕はうつ病による長期休職ののち、2025年3月に教職を早期退職しました。そんな僕が2023年に約9ヶ月間取り組んだのが、「認知行動療法(CBT)」です。
でも、
「そもそもCBTって何?」
「カウンセリングとどう違うの?」
「興味はあるけど、実際どうなの?」
と思う方もいるかもしれません。
今回は、実体験を交えて、CBTとは何か?そして、実際に受けて感じたメリット・デメリットをわかりやすくまとめてみました。
認知行動療法(CBT)とは?
CBTとは、「考え方(認知)」と「行動」に働きかけて、ストレスや落ち込みなどの心理的な苦しさを軽減していく心理療法です。
簡単に言うと、私たちは日々の出来事に対して「どう捉えるか」で気持ちが大きく変わります。
同じ出来事でも、ポジティブに捉えれば前向きに動けるし、ネガティブに捉えると気持ちは沈みます。
ところが、うつ状態などのときは、この“捉え方”が偏ってしまうことが多いんです。
たとえば、「LINEの返信が遅い → 嫌われたに違いない」といった具合に。
CBTでは、こうした偏った考えに気づき、別の見方や対応方法を少しずつ身につけていく練習をしていきます。
私がCBTを始めたきっかけ
2022年末、これまで通っていた2つの病院を経て、3つ目のメンタルクリニックに転院。
そこでは医師から「認知行動療法をやってみませんか?」と声をかけられました。
→ この時期の詳しい話は、こちらの記事「3つ目の病院へ」に書いています。
「何かを変えたい」という気持ちと、「まずは自分の状態を整理してみたい」という思いから、2023年2月にCBTをスタートしました。
【実際に感じたCBTのメリット】
初回では「うつ病の経過図」を書いて、自分がどんな時期にどんな状態だったかを振り返りました。
① 自分の考えグセに気づける
→ この取り組みは、CBT体験記①にも記載しています。
何気ない日常の中で「またダメだった」「きっと迷惑だった」と思ってしまう癖に、自分自身で気づけるようになったことは大きな収穫です。
② 副作用の心配が少ない
CBTは薬を使わずに進める心理療法。
そのため、体に負担がかかることはほとんどありません。
僕自身、服薬と並行してCBTを受けていましたが、副作用らしいものは一切ありませんでした。
③ モチベーションが上がる
CBTは、カウンセリングだけで終わりません。
自分で「ワーク(宿題)」に取り組み、結果を次回に持っていくというスタイル。
だからこそ、小さな変化が実感でき、「やってよかった」と思える場面が増えました。
【CBTのデメリットや注意点】
① 状態が安定していないと難しい
CBTは自分の気持ちや考えを「見つめ直す」時間を必要とします。
だからこそ、気分の波が激しい時期や、極端に消耗しているときには、逆にしんどくなってしまうこともあります。
② 効果を感じるまでに時間がかかる
僕の場合、少し手応えを感じ始めたのは3ヶ月目くらいでした。
CBTは、週1回30分〜60分の面談を、通常16回前後行います。
即効性を求める方には向いていないかもしれません。
③ 保険が効かないことが多い
現在、CBTは以下の疾患に限り保険適用が認められています(2024年時点):
- うつ病
- 強迫性障害
- 社交不安障害
- パニック障害
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
- 神経性過食症 など
ただし、医療機関側が「保険適用条件」を満たしている必要があるため、実際には自費になるケースも多いです。
僕が通っていたところは、1回あたり6000円(自費)。
金額的には負担ですが、それでも僕には「自分を見つめ直す大切な時間」になりました。
おわりに
約9ヶ月かけて通ったCBTが終了した時、正直なところ「これで本当に終わってしまうのか」と少し寂しさも感じました。
でも、振り返るとそのひとつひとつのワークや気づきが、今の自分の心の土台になっています。
気分が沈む日があっても、「ちょっと待てよ」と自分の思考に一呼吸おけるようになったのは、CBTで鍛えられた力だと思っています。
一朝一夕には変わらなかったけれど、だからこそ、自分の歩みでここまで来られたことに、今は確かな手応えを感じています。
これからも、気持ちが揺らいだときにはワークシートを見返したり、気づいた思考をメモしてみたりと、CBTで学んだことを日常の中に活かしていきたいと思っています。
完璧にできなくても、「またやってみよう」と思えること自体が、私にとってのひとつの回復の証かもしれません。
これからCBTに関心のある方にとって、少しでも参考になれば幸いです。


コメント